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くまもと観光キャンペーンブログサイト 季刊誌
くまもと時間(タイム)Vol.5 2008 SUMMER1-2ページ

球磨郡五木村「山うにとうふ」

平家落人の嗜(たしな)みを食せば
「これが豆腐?」という、芳醇。
 五家荘は、行けどもいけども山が折り重なるように続く山里である。この地には壇ノ浦の戦いに敗れた平家の落人が隠れ住んでいたらしい。清盛の孫にあたる清経以下5人は、合戦の後、大分から阿蘇、矢部を経て、この地にたどり着いたという。麦、ヒエ、モチキビなどの雑穀を主食とする貧しい村で、落人たちは生きることに必死だったはずだ。やがて、この山深い里に居を構え、華やかな都の暮らしに、遠く思いをはせていただろうか。
琵琶 古民家
五家荘の椎原地区には、落人が住んだという格式高い古民家が佇んでいる。落ち延びた後に椎原に入り、庄屋として地域を治めていたという。高く組み上げた天井の一角には隠し部屋があり、源氏の「平家狩り」に備えた後も残されていた。床の間には、古い琵琶が一面。平家物語を語る「平家琵琶」を彷彿させる。
 五木村の郷土料理に、そんな落人が伝えたという秘伝の「豆腐の味噌漬け」がある。山里にあって生きる術となる保存食が、800年の時を越えて、今に受け継がれてきた。豆腐の水分を切り、味噌に一週間ほど漬けこむと、歯応えのある食感と大豆の豊かな風味の味噌漬けが出来上がる。
「山うにとうふ」
「山うにとうふ」(150g)630円
 同じ豆腐の味噌漬けでも現代風なのが、まるでクリームチーズのような、まろやかな旨味の「山うにとうふ」。半年の時間をかけて熟成しただけあって、芳醇な味わいだ。“山の雲丹(うに)”と、食べた客の多くが称したというから、その濃厚な旨さも想像がつくというものだろう。伝統食でありながら、ワインによし、パスタによし。しそ、ゆず、黒ごまなどバリエーションも多彩に揃っている。きっと平家の落人も、一口食べたかったと泣いて悔しがるに違いない。
【取材協力】 有限会社五木屋本舗 球磨郡五木村丙635-3 TEL 0966-37-7127

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